タイトルを見てすぐにピンと来た方もそうでないもいらっしゃるかと思いますが、これは1ヶ月程前?に 娘(7歳)が発した言葉。
「ママ〜。Go ahead. の意味分かるよ~。頭に行くってことでしょ!でもなんでそれが”どうぞ”ってことなの??」と。
実は、この発言には娘が覚えた以下2つのフレーズが関係しています。
Can you hear me?
Do you have any questions?
緊急事態宣言発令により、娘の学校も休校となり自宅で過ごすことになったのと同時に、私のレッスンもすべてオンラインに切り替わったため、娘は隣室で行われているオンラインレッスンの会話を耳にすることが増えたのです。
Can you hear me? は、zoomの接続状態を確認する際によく使っていたフレーズ。
Do you have any questions? は、レッスンの最後の定番フレーズ。
そして先程のDo you have any questions?に対してyesと答えた方や、途中で話を遮ってしまった時などに使っている
Go ahead.
どれも頻度が高いフレーズのため、知らず知らずのうちに覚えてしまったようです。(TVコマーシャルなどと同じ効果ですね!)
娘は英検5級を取得済につき、Can you hear me? と Do you have any questions? の2つは、フレーズを構成しているそれぞれの単語の意味からほぼ理解していたのですが、「知らなかった」という Go ahead. は、
GO HEAD
と思っていたのです。
go= 行く、head = 頭 と分かっているので、そのまま訳して「頭(に)行く」と思い込んでいたのです。
そこからどうして意味が「どうぞ」になるのかと素朴な疑問をもっていたようです。
※ go ahead は「どうぞ」と相手を促す意味の他にも「先へ進む」の意味もあります。
実はahead が headと聞こえたのは自然なことです。
aheadの先頭の母音 a の発音記号は [ ə ]
こちらは唇や舌の力を抜いて弱く発音する「ア」、「あいまい母音」とも呼ばれる音です。
(『コミュニケーションへの発音演習』小泉節子・杉森幹彦著より)
力が抜けて脱力感を感じさせる弱い音かつ、aheadは第2音節にアクセントが来るため聞き取りづらいのです。同様の単語で同じく a [ ə ] の音で始まる単語は他にもabout, around, awayなどがあります。これらの単語はいずれもカタカナで使われることがある語です。ハッキリと先頭の「ア」を発音して、アバウト、アラウンド、アウェイと読んでいませんか?!
それではいつまで経ってもリスニング力は上がりません。極端に言うと、about は 「ぁばぅっ(単語の最後のtは欠落)」、aroundは 「ぁぅらぅんどぅ(単語の最後のdもごく軽く)」、away「ぁうぇぃっ(単語の最後のgはごく軽く)」のように聞こえます。前にくる単語によってはaの音がリエゾン(連結)などによりほぼ聞こえないこともあります。実際の英会話の中で、「ばうっ」と聞こえた時にaboutだと認識できるようになるためには実際自分でその音を出せるようになること。意識して発音の練習や音読を繰り返し音を出せるようになることが結局リスニング力のアップにつながります。レッスンの中でも、ディクテーション(書き取り)をすると、「自分で出せない音は聞こえない」が顕著に出てくるので、とにかく音読を重ねて直していただいています。
よく耳を澄ませて時に自分の音読を録音または自撮りしてみて、同じように聞こえるまで練習を繰り返してみてくださいね!
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